サブリミナル白昼夢

公式が解釈違いなら、それより洗練された洞察で公式を焼くブログです。

日記  口下手の私が、ゲーム実況を配信する(した)理由

 

私は、話すことが苦手だと自分で思っている。
好きなことについて言語化するのは大の得意だが、頭の中にある抽象的な概念を口にしようとすると、どうしても詰まってしまう。

何も考えずにパッと言葉が浮かんで話をし始めたり、話している人を楽しませるような話術は私にはない。これは経験による差も大きいだろう。スピーチのような、一対多のような場面自体が苦手というわけでもないのだが。決まっていないことを即興で話すという行為はどうしても苦手だ。(自分で配信をしていくとむしろ得意な人が稀有というのが分かるのだが)

だが、人と会話すること自体は好きだ。他人の感性にふれ、咀嚼し、自分の意見を述べ、論じ、共感したり反発したりする。これらは何事にも代えがたい体験であるし、誰かと繋がりたいという人の普遍的な欲求であるだろう。しかし、言葉が出てこない。自分の持ち合わせた知識は多いはずなのに、人を目の前にすると(配信でもそうだ)言いたいことが言えず、モヤモヤとしてしまうことが多いのだ。

ではなぜ、そんな話下手な自分がゲーム実況を配信しているのか?と問われたら答えは一つしかない。

ゲームが、大好きだからだ。
ゲームが大好きだからこそ、誰かとそのゲームについて語り合いたいし、誰かとそのゲームで繋がりたい。(これはフォロワーとスペースなどで百合について論ずることの理由でもある)

文章のみでビデオゲームの面白さを伝えようとするのにはどうしても限界があるし、またその面白さと深みを、SNSのようなインスタントな文章で語るのは気が引ける。たとえば、ホラーゲームの面白さを140字という文字だけで説明しようとしてもどうやっても無理だからだ。

ゲームは自分でプレイする姿を見せることこそが、何より面白さを伝える。

ゲームの『映像と音声』、そして『プレイヤーの反応』とその『空気感』、それらを明確に伝えてくれる・言語化してくれるのに最適なのは、どうやっても実況という体系だった。

なので私は、好きなゲームを言語化するために、避けては通れない実況・配信をする。話をするのが下手くそでも、ゲームの『映像と音声』、自身の反応から作られる『空気感』を伝えたいがために、配信しているのだ。

 

さらに言うと、いちゲーム実況者がこういうことを言うべきではないのかもしれないのだが、私は、未プレイのゲームの実況動画を見るべきではないと考えている。

勘違いしないでほしいのだが、私は2006年頃からゲーム実況という文化に触れてきた筋金入りの暇人だ。2007年のニコニコ動画(γ)から端を発した、日本のゲーム実況という文化を否定するつもりはないし、グレーゾーンなどの賛否はあれど、上で書いたようにゲーム実況は面白いのだ。

だがゲームというのは、初見プレイでしか得られない感動がある。それを念頭に置いた上で視聴する(ゲーム実況動画がゲームを買うきっかけになることもあるだろう)のは、その人の自由であり否定はしないが、コモディティ化している昨今のゲーム動画を、惰性で消費するという行為にはどうしても賛同しかねる。

ゲーム実況を見るのであれば、ゲームそのものに対するリスペクトと関心を忘れないでほしいと思うのだ。

なので私は、作品自体へのリスペクトを感じさせないようなファスト動画には興味もわかない。逆に、ネタバレ厳禁なノベルゲーのようなゲームの実況プレイでも、初見プレイヤーの反応を既プレイヤーが見れるという点で、ものすごく好きなのだ。(大好きな作品に感情を振り回される初見プレイヤーというのは既プレイヤーにとってこの上ない娯楽といえよう)

まとめると、私はゲーム実況者として、ゲームをただ惰性で浪費する視聴者を望まない。そしてゲーム実況を見るのであれば、ゲームという『遊び』そのものに対する興味・関心・熱意を無くさないでほしい。私たちはホモ・ルーデンスであるべきなのだ。

そして、私自身の配信も、ゲームという作品そのものと、それを創造したクリエイターへの敬意を感じさせるようなものにしていきたいと願うのだ。

 

私、星海波にきしーのチャンネル。毎週、金・土 20時~ Twitchで配信している。

 

これは冥典 百合音氏の配信にお邪魔させてもらった時の動画だが、大好きなゲームを誰かと一緒にプレイするのは、端的に言って とても楽しい。