サブリミナル白昼夢

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【ブルアカ】百合オタ「アニメの先生が男だったからアンチになった」層が興味深いので推論してみた【考察】

かなり一部ではあるのだが、百合オタクで「ブルアカアニメの先生が男だったからアンチになった」と、わざわざ明言している層がいたので勝手に推論している。

ちなみに私は生粋のナチュラルボーン百合過激派オタク(?)だが、この層についてよく分からず不思議に感じていた。

流石に知らない人に突然、「なんで反転アンチになったんですか?(笑)」と聞くのは野暮だろうし失礼だろう。なのでブログの中で好き勝手に推察していこう。(失礼)

この記事は、今書いてある他の記事の息抜きのつもりで書いた、雑な推論であり半分ネタな考察だが、一応半分は本気なので、異論があればどんどんツッコんでほしいと思う。

まあ流石にこの程度の長さの記事で、分母の多いブルアカプレイヤー達の心を知ることはできないのは百も承知だ。

なお致命的ではないにせよゲームのネタバレをいくつか含むので、ネタバレがぜったい嫌な人はブラウザバックしてほしい。

 

 

そもそも原作ゲームでは、先生という人物はプレイヤーを含め、無数に存在している多世界で生きる存在として描かれている。そのため、男の先生が存在する可能性というのは普通にある。

Nexon GamesのMXスタジオ所属、シナリオディレクター兼音楽プロデューサーのヤン・ジュヨン 氏*1はブルアカと先生についてこう述べている。

「 (ブルーアーカイブは)固定された主人公(先生)中心から脱却して、様々なキャラクター(生徒)がそれぞれの物語で主人公の役割を交互に担う、オムニバス方式で構成することを意図しました」

これらは従来のゲームが、主人公(プレイヤー)が他のキャラクター達より前面に来てしまい、人気が集中していた所を避けるのが狙いで、主人公の姿を描写しないことで、他のキャラクター達、つまり生徒に目を向けてもらう狙いがあったようだ。

私も、この点について実際プレイした中で大成功と感じていて、先生は純粋な『主人公』と言い切れるような存在ではなく、彼女ら(主人公)を補佐するサブ的存在。『マスコット兼主人公』的な立ち位置だと見ている。

先生というキャラクターは、『男性も女性も誰でもなれるプレイヤーの代弁者』というコンセプトで作られているのは、

「今後もベースとなる原作のゲームでは、先生の公式的な姿をどのような形でも描く予定はありません
「先生はユーザーが自分自身を投影する存在であり、この基調が変わったことはありません。 もちろん、他のメディアミックス(アニメ、コミックスなど)で様々なパターンの先生が登場することもありますが、それはあくまでそれぞれのメディアに登場する先生の様々な姿であって、どれが『正解』で、どれが『不正解』。となるわけではありません。」

など、断言していることからも理解できる。*2(※赤字・太字は筆者強調)

なので、ゲームのプレイヤー=先生の構図で見たとしても女先生×生徒の関係も否定された訳ではないし、ゲームのプレイヤー≠先生の構図で見ていた場合も同様だ。なのになぜ、わざわざ反転アンチになるのだろう?

 

第一に考えられるのは、プレイヤーが「先生という存在を抜きにして生徒同士の百合を見ている」場合だ。

この場合だと、たしかに男性の先生が登場したという事実はノイズにしかならないのかもしれない。といっても、アニメを見なければいいだけな気もしてくる。

実際、アニメの先生が気に入らない(百合)オタクは何も言わずアニメからはそっと距離を置いているし、わざわざ手間ひまかけてアンチになるほうが大変だろう。

「(誰でも見るようなメディアミックスである)アニメの先生の存在によって、生徒間の百合を楽しめなくなった」というのが、一番理解できる主張ではあるのだが、私から言わせてもらえば「百合を妄想する力が足りていない」し、アンチになるくらいの熱量を持ち合わせていたのなら、公式が何を言おうと突っぱねて、確固たる百合の価値観を貫き通すくらいの度量も持ち合わせてほしいものだ。

ただ、後述するように私自身には『他人が描いた先生が邪魔になる』という主張そのものにあまりピンとこないので、生徒同士の百合を楽しんでいた方には申し訳ないのだが、この層に関しての推論はここまでとさせてほしい。

 

第二の説として生徒、いわゆる好きな生徒(ヒロイン)に対する一種の独占欲も含まれていると推察できる。*3

つまり、生徒の隣に男性性*4のキャラクターが並ぶのが嫌、男性性のキャラクターに笑顔を向ける生徒が嫌なのだと読み解ける。

しかし、プレイヤーが愛しているキャラクターと同一存在*5だと言っても、アニメで描かれている生徒が男先生と過ごすのが許せないと言うのは、いささか行き過ぎな気もする。

これはプレイヤーの単なる嫉妬心、言ってしまえばプレイヤーが『公式に対する解釈違いを起こした』ためと言えるので、今回の場合に関して私は、まったく共感はできないとしつつも一定の理解を示すこともできなくもない。(そもそもここは公式の解釈違いを焼くブログだ)

ただ、こういった不満層の中には、明らかに過剰な男性嫌悪を滲ませて叩く者もいる。流石にこういった層については理解を示すこともできないので、この層については捨て置く。

 

さて、アニメの先生についてはどう解釈すればよいのだろうか?

ゲームのブルアカは、プレイヤー本人が『性別に囚われないすべての(she/he/theyな)プレイヤー=(she/he/theyな)先生』の解釈でプレイしていようと、『オリジナルキャラとしての先生』の設定でプレイしていようと、すべてはプレイヤーが受け取った解釈と自己完結型な創作で成り立っていると言える。

ゲーム内で描かれる(she/he/theyな)先生は、そういったプレイヤーの解釈によって創作されたインディビジュアルの存在だと言えるのだ。

つまり、
●『百合ゲーの主人公が男になる意味が分からない』という主張。
▶まぁ、これは理解できる。

●百合ゲーとして百合オタクがブルアカをプレイする。
▶これも理解できる。

●美少女ゲーとして一般オタクがブルアカをプレイする。
▶これも普通だ。

●ブルアカというコンテンツを百合として扱い、その解釈を他者に押し付ける。
これが『間違い』だと言えるのだ。

しかし、今回アニメ化するにあたって、「公式サイド側が押し付けた」と受け取ってしまったことで、つまり「百合ゲーを百合抜きにした美少女アニメとして描いた」と感じたことにより、一部の百合オタクは危機感を顕にしてアンチ化してしまったのではないか。と私は見ているのだ。

 

しかし、最初から言っているようにゲームの先生は、プレイヤー自身が解釈し創作したインディビジュアルの存在でしかない。

アニメの先生は、限りなく『同一存在に近い別人』であると私は感じているし、公式でもわざわざ「ゲームの先生とアニメの先生は別人である」旨の説明をしている。*6

そんな公式を信用できなくなったと言うのであればそこまでだが、ゲームとアニメは別物であり、貴方の先生を否定しているわけではないのだ。

貴方だけの先生を誰にも否定できないように、貴方も他人の先生を否定することはできない。メディアミックス作品の一つとして、そっとして置くことはできないのだろうか?

 

ちなみにそんな私は、ゲームに関して一通りプレイ済みだが、アニメ作品の「ブルーアーカイブ」はまだ一話も見ていない(OPすら見ていない)。なので、アニメ本編の内容や出来については一切口出ししないし、アニメのブルアカを持ち上げる義理もない。

気に入らなければ見なくてもいいし、実際にゲームだけプレイしてアニメを見ていない百合オタクも確実に存在する。わざわざ労力をかけてアンチになる必要はないのだ。

私がアニメをいまだ見ていないのは、本作が女先生ではなかったからで、特に急いで見る必要もないと感じているからだ。正直に言うと、女先生だったのならもっと早く見ていた可能性はある。

また、ゲームの対策委員会編は単体のシナリオレベルで見ると、そこまで面白く感じていなかったからというのもある。本作はここから面白くなっていくし伏線もたくさんあって、全体を通して見ると面白いのだが。

 

というわけで、今回は百合オタクの「アニメの先生が男だったからアンチになった」層が興味深かったので勝手に推察してみた。

「ゲームでは女先生だと思ってプレイしていたのに、アニメで男先生にしたのは許せない」という類の主張は、"少なくとも"ブルアカというコンテンツでは通用しない。もちろん、そんな主張を振りかざす百合のオタクはいないと私は信じているが。

私は百合オタクではあるのだが、アニメ化の情報が公開されるまで「もし女先生だったら、百合アニメとして楽しめるかも」くらいの期待しか、ブルアカアニメにはしていなかった。

しかし、百合は主人公の性別を入れ替えただけで成立するわけではないし、女×女のやりとりに含まれる質の高い百合を作るのにコストがかかるのは、百合の有識者なら百も承知だろう。よって、先生が女性になる可能性をアニメというメディア媒体でほとんど考えてなかった。ぶっちゃけると、先生は男性であるほうが描写コストが低い。

ただ、漫画などのメディアミックス作品も男先生の割合が高いので、先生がどちらとも取れる原作ゲームを作っているなら、そろそろ公式でも女先生を登場させてほしいとは思っている。この層に属しているのが私である。

 

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*1:本業はシナリオ全般の方向性を決める「シナリオディレクター」とのこと

*2:"감동의 눈물이 멈추지 않는다"는 평가를 받는 블루아카이브의 스토리를 쓴 남자 『"感動の涙が止まらない"と評価されるブルーアーカイブのストーリーを書いた男』から引用

*3:生徒は『ヒロイン』ではなく『主人公』ではあるが

*4:`man`ではなく`masculinities`。いわゆる男らしさ

*5:多世界なので彼女らも完全に同一存在だとは言えないのだが

*6:「ブルーアーカイブ The Animation」AnimeJapanスペシャルステージ Day2 - YouTube の31:00あたり