サブリミナル白昼夢

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わたなれ 5巻 感想・考察 「立てば爆薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花。それが琴紗月」

これは、まだ純粋無垢だった小学生の紗月ちゃんと精一杯練習して頑張ってる真唯ちゃん。
またまたおざわな先生に描いてもらいました!わーい!!
小沢サヨリ(おざわな) Twitter ID: @Ozawa_na_

 

ついに、イカれたした長文感想・考察も五回めです。

わたなれはなんと三年目に突入。三年といえば、赤ん坊だった子が保育園や幼稚園に入ることができる歳月ですよ。時の流れ、すごいね。

私の長文感想・考察は、黒というか白歴史として、一生ネットの海に放流しておきたい。(サービスが終了しなければ)

そしていつか、わたなれと一緒に孫に読ませたい。(?)

毎度のごとくネタバレ注意です!

 

 

はじめに

さて、今巻からわたなれは第二部に突入しました。

第一部が登場人物たちと既存の世界(関係)を描くことだとすると、第二部はその広がりによって構築した世界(関係)の新たな探究だと思います。

そうです、わたなれは新たな段階へと踏み出しました。五巻はその入口となるポイント。

ポケモンに例えるなら、第一部がポケモン達のレベルアップ、つまり修行編。そして、第二部が街から街を踏破する探索編という感じ。

じゃあジムリーダーやチャンピオンにはいつ辿り着くんだろう……。

王塚ルネは、芦ヶ谷地方のチャンピオンでありラスボスなのかもしれない……(?)

 

メインキャラ以外とその関係について

五巻では特に、芦ヶ谷高校のみんなとれな子の絆について描かれていました。

モブキャラをただのモブキャラのままで終わらせず、メインキャラたちを引き立てるスパイスとして最大限に活用する、料理人の鑑……! みかみてれんは三ツ星シェフだった……? たぶんそう。

これは百合に直接関係ないのですが、私は百合作品に出てくるモブ男の子も大好きなので、清水くんといったモブ男の子の出番が嬉しい。

れな子は男の子もかなり苦手ですが、人を性別や属性だけで判断して苦手意識を持つのではなく、個人として見ることができるようになったのは、とても大きな成長だと思います。

また、長谷川さんと平野さん、つまり昔のれな子と少しだけ似ている二人を物語に加えることで、れな子の共感能力の高さや、れな子自身の成長を描いているのは面白いなと思いました。

試合中に作戦を伝えたがっていた平野さんに話を振るれな子、ナイス。陰キャの経験が生きたな、喜べれな子。

長谷川さんと平野さん、れな子にとって自分を無条件で崇めてくれる彼女らは神なんですよね……。(なんかおかしい)

もちろん、彼女らが陰キャだから悪いということではなく、そんな自分を肯定できるか否かだと私は思うので、れな子がまた自分を認めることができた球技大会での一幕はとても嬉しかったです。

 

第二部からもメインとなるクインテットのメンバーが中心に物語が進んでいくのは変わらず、色々なキャラクターが追加されてもっと面白くなっていくのを予感させた五巻ですが、5déesseの四人と照沢耀子も面白かったです。

どう見てもかませ全開な高田卑弥呼らをはじめ、謎が深まる探偵系美少女、照沢耀子。

個人的には、高田卑弥呼たちの出会いの物語がめちゃくちゃ百合的に気になるのでウラ話ください。

あそこ大親友香穂ちゃんを生贄にするれな子、普通に最悪なんだよな。かのピと呼び合ったり、ラブホで一緒に過ごした仲の女を供物にして、他の女にキスしにいくことなんてある? 文字に起こすとホント、サイテー……。ゆるせねえな甘織れな子。

高田卑弥呼は個人的にお気に入りのキャラですが、それでも紫陽花さんのペンケースとそれに込められた大切な思いを踏みにじったのはゆるせねえ!ってなりました。でもちゃんと謝ってくれたので、グラウンド1000周くらいで許します。

ここの紫陽花さん、本当に傷ついて泣きそうな顔をしていたのが浮かんで、こっちまで泣きそうになりました。やめろ!紫陽花さんを泣かせようとするやつは、たとえ、神だろうと隕石だろうと許さないからな!?

まあ高田卑弥呼も、心にも思ってもないことを、口からベラベラと言ってしまった結果だと思うので大目に見てあげましょう。とりまグラウンド1000周な。

 

話は変わりますが、ここで紗月さんが静かにですが本気でブチギレているのがとても印象的。流石、紫陽花さんガチ勢。

他人に興味がない紗月さんが、自分とまったく正反対な、あるいは『真唯と出会っていなかったらなっていたかもしれない自分と重ねて、紫陽花さんを大切にしたい』と思っている。と見るととても興味深くありませんか?

彼女が紫陽花さんを大切にしたいと思っているのは、性格が悪くない昔の自分を見ているようだからと、意識的であれ無意識的であれそう思っている。というのは考えすぎでしょうか。そうだったら紗月さん、面白すぎるな……。

私はいつも、琴紗月という顔がよくておもしれー女に心を踏み荒らされてる。いいよ。もっと踏み散らかして。

 

また、まいさつ過激派筆頭こと、花取単衣ですが(やっぱり)王塚真唯被害者の会のメンバーでもありましたね。真唯に人生を狂わされた女が多すぎる。

本人が幸せそうなのでまあいいのかもしれませんが。花取さんの場合、人生に彩りを……とかそういうレベルではなく、人生が真唯色に染まってしまったタイプです。この人の語り、心酔ってレベルじゃなくて普通にこわあ……。

この黒髪美人のスレンダーで、落ち着いた雰囲気のお姉さんというビジュアルでまいさつ直火厄介オタクなの、面白すぎる。まんま推しに狂ってる社会人オタクなんだよな……。

社会人オタクは狂気を内に秘めていても仕事中はそれを表に出さないからな。すごい。えらい。

まあ、花取さんとかいう怖い厄介オタクは置いといて、その女とソー◯まがいをしている、お風呂マスターれな子ですよ。(ソードマスターヤマトみたいに言うな)

 

れな子のめちゃめちゃにされてる姿に高揚するより、は?なに息荒くしとんねんコイツ……。と素でキレてしまいました。

だって『真唯と紫陽花さんというものがいて、しかも、真唯を待っている最中の出来事』ですよ?

なに恋人を待っている最中に、年上のお姉さんにお風呂でこすこすされてるの? 流石にゆるせなくない??? こいつぜったいデートの待ち合わせ前とかに、レ◯◯俗行ってるタイプの女だよ。ゆるせねえな甘織れな子。

しかもそのあと、なに食わぬ顔で真唯ちゃんとともにお家デートしてるんですよ? 生かしておけねえ……。

でも、一緒に食事をしている時の真唯ちゃん、すごく嬉しそうで見ているこっちも嬉しくなっちゃうんだよな……。

家族のように食卓を囲む。そんな『あたりまえ』の光景が真唯の求めていたもので、それは願ってもまだまだ子供の真唯にはけっして手の届かないものだったのだろうな……と考えたら少しさびしくなってしまった。

それを叶えてくれたのが、お風呂で他の女にこすこすされていたお風呂マスターれな子だということに納得いきませんが。ゆるせねえけどグッジョブれな子……。

 

顔のいいおもしれー女(琴紗月)に弄ばれる

さて、サブキャラ達とその関係についてはここまで(照沢耀子については語れることが少ないので割愛)にしておいて、メインキャラを見ていきましょうか。まずは琴紗月について。はいドン。

 

琴紗月、恋に恋する乙女なんだよなあああー!

絶対に笑ってはいけない琴紗月24時、はじまったな。

いや、シリアスで誠実で、彼女にとってすごく真面目な理由なので、茶化してはいけないのは分かるんですけど、『恋に恋する女の子、琴紗月』が似合わなすぎて吹き出してしまう。『恋に恋する琴紗月』って口にすると、笑い方が明石家さんまさんみたいになる。ファー!wwwwww

 

『恋愛なんて興味ないわ。』 ないわ……。 ないわ……。(エコー)

あるじゃん!!!(ブチギレ)

 

それでも、そこからの心境の変化を描いた五巻までが本当に秀逸なんですよね。

あの時の紗月さんはもしかしてこう思っていたのかな……と考えられる行間がとても多いのです。伏線はいたるところに散りばめられていたのだなと。

 

それを四巻の時点で考察してしまったのが私なんですけど。(自慢)

紗月さんですら形にできてなかったであろう心情を見事、当ててしまったな……。(ドヤ顔)

なので、4巻のラストの時点で紗月さんはれな子に恋はしていないが、恋を知りたくなった可能性があると私は考えています。

(中略)あそこまであの三人を魅了し、苦しめ、動かした恋という感情を知りたくなったのではないでしょうか?

 (わたなれ4巻感想より引用)

 

……そんなどうでもいい自慢は置いておいて、紗月さんが本当にしたかった事、あの最悪なタイミングでれな子に告白した理由は、『真唯があそこまで心を乱される恋を知りたくなったから』でした。真唯に対する対抗心がヤバいんだよな。

あのメッセージについては、偽の元カノで、好きでもなんでもない(ガチで好きでもなんでもない)れな子に付き合ってと頼むのは、付き合った結果ガチでれな子に恋をしてしまう”危険性”も考慮すると(初恋が二股クイックハンド女でいいのか?)、もしかして紗月さんおバカなんじゃないか……? と本気で思ってしまいますが、それでも恋を知りたいそうです。

たぶん本人は至って真面目ですが第三者から見るとおバカにしか見えない。たぶん紗月さんも自覚してる。恋愛は人をバカに変える。これ進研ゼミでやったところだ。

というか、二巻であそこまでやった(三回もキスしたりあんなに一緒にいたりした)のに、れな子のことを恋愛的に好きにならなかったのなら、もう紗月さんからは積極的に何をしてもれな子を好きにならないと思うので、誰か別の人にいったほうが良くありませんか?

少なくとも、れな子を好きになる重大イベントが何か起こらないと、今のままではれな子は恋愛対象外でしかないと思います。れな子は恋愛対象外(笑)

しかし、何かを起こす可能性(危険性?)があるのがれな子。

私としては、紗月さんには、それがもしダメだと分かったのなら、さっさとさて次行くわ。って感じでほかの恋を探してほしいのですが……。

正直、れな子と紗月さんが付き合う可能性を考えただけで気が狂いそう。ウワァー! ゆるせねえな!甘織れな子!

 

ハァハァ……。そして、王塚ルネから招集された琴紗月の暗躍ムーブですよ。琴紗月、何やってんの? 何やってんの琴紗月???(お前ぜったい黒幕とか下手なタイプじゃん……)

王塚ルネさん、れな子のことを塀にぶち込まれるべき女として認識してるのが、無限に笑えるんだよな。流石に複数人と交際してるだけじゃ罪にはならないでしょ。だったらしてもいいんですか? うん、よくねえわ。

ルネさんが四股を勘違いしてるのはまだいいんだけど(れな子が悪いので)、ルネさんって娘の恋人を東京湾に沈めるキャラなの? 一人娘を溺愛するヤクザの親分なの? 渋谷の裏世界を牛耳るトップで合法のじゃロリなの? キャラ盛りすぎじゃない???

 

さて、このままでは王塚ルネがただのネタキャラになってしまうため、真面目な話をしましょう。私は、ルネの言葉には後悔が滲んでいるように感じられました。

On n'aqu'une vie 人生は一度きり。あなたには、後悔してほしくないの、真唯ーー
 ルネは昏い瞳で、写真の人物を見つめていた。

ここでルネは真唯を指して『あなた"には"』と呟いていますが、『私は後悔していることがある』と読むことができます。

もちろん、ここだけなら文章通りに読めるかもしれませんが、わたなれ四巻にて、ルネは真唯にわざわざ、

『人生は一度きり。私は後悔しない。貴女にも後悔をしてほしくはない。だから、行動は慎重になさい、マ・シェリ

と言っています。これは『私は後悔しない』と自分に言い聞かせ、娘にもそう振る舞っていると読むこともできます。(”貴女にも”=”私は後悔していない”からと自分に言い聞かせている)

しかしそもそも、後悔することのない人生というものは存在しません。それは琴紗月も言っていたように、

「選ぶというのは、それ以外を選ばないということ。しっかりと、胸に焼きつけなさい」

ということであり、人は何かを選択をする時、選択しなかった他の選択肢を喪失します。人生は選択の連続でありながら、毎日毎分毎秒何かを失って生きているのです。あの時、もう一つの選択をしていれば……という『後悔』が少なからずあります。

そのため、ルネが言う『後悔のない人生』はその人が気丈に振る舞う強さでもあり、脆さでもあるのです。

彼女は本当に後悔のない人生を送ってきたと言い切るのか。それとも彼女も何かを後悔して、それをひた隠しにしているのかは気になるところですが、とりあえず彼女についての考察はここまでにしておきましょう。まあ、一つを選ぶなんてできないから全部を選んでがんばる!後悔もしない!って言い切ったバカが甘織れな子なんですけど。

 

それはともかくとして、このシーンの琴紗月、軽率ガールとしての本領発揮といったところでしょうか。自分が恋を知りたいからって、窮地にいる友人を崖ごと破壊して突き落とすのやめろ。お前は人の心に飢えた恋愛大怪獣か?

六巻では恋愛大怪獣サツキドンが芦ヶ谷高校で暴れまわる姿が拝める……? それぜったい面白いやつ……。

あと、まだ純粋で穢れをしらない、若かりし頃の美少女紗月ちゃんの一枚絵が出てきましたね。超絶天使でしたね。(おざわな先生に描いてもらった運動会の小学生まいさつもめちゃめちゃ見て~!!!)

やっぱり小学生の頃の紗月ちゃんは天使! 今は……、うん……、こわいね……。

小学生の頃の紗月ちゃん(十歳くらい)とタイムスリップして、紗月さん(十六歳)を見せて、

「紗月ちゃんはね、リアルレスバトルで完膚なきまでにけちょんけちょんにして相手を泣かせたり、親友に素直になれなくてゲームの試合中に暴言吐くような子に育つんだよ」

って言ってあげたい。小学生紗月ちゃんグレちゃいそう。

 

さて、紗月さんは真唯、紫陽花さん、香穂ちゃん、れな子のことは好き(少なくともれな子のことも嫌いではないはず)ですが、恋愛的な意味で人を好きになったことがないと、今回はっきりと明言されました。もちろん、これから関係が変化していく可能性も十分ありますが。

紗月さんが求めるのは、恋をした真唯が間違っているのか、それとも恋ができない自分自身が間違っているのか。『恋愛』とは何かを知りたいとのことですが、かなりの難問だと思います。

なぜなら、それは人類が現在も探究し続けてきたテーマであり、未だに到達できていない未踏の領域だからです。なんか話がワールドワイドになってきたな。

恋愛とは何か。愛とは何か。正直、人を好きになってみても本当に理解できるのか分からない、難しいことだと思います。

 

ただ、それを識るためには紗月さんも誰かに恋をするか、それか、作家のように書くかといった方法があると思います。琴紗月恋愛作家概念、アリなのでは……?

まあ少なくとも、二股してる女のウラで何かしら暗躍することではないはずだと思うんですが。ホント、何してるんだこの女……?

紗月さんが求めている答えは、恋に落ちなければ掴むのが難しいですが、恋に落ちることは理屈だけじゃないと思います。なので、恋を理屈で語ろうとする紗月さんは、かなり難しい方面から恋をアプローチしてるなという印象があります。

ただ、不可解な行動をとったり、地球半周ばりの遠回りをしていても答えに辿り着くのが紗月さんだと思うので、その点は心配していません。

遠回りした結果の周りの甚大な被害と、そのとばっちりがすべてれな子にいく点が心配ですが。まあ頑張れ、れな子。

 

ここで気になるのが、紗月さんのファーストキスはれな子とかいう女に奪われている点なんですよね。

順当(?)に行ってしまえば、れな子が恋人になりそうですがハッキリ言って嫌だ

ファーストキスの責任もとって偽の元カノ概念琴紗月とヨリを戻すれな子、嫌だ。

真唯はともかく、三回もキスした偽の元カノとの過去がバレたら、紫陽花さんは傷つきそう。そんなことになったらマジで許さんからな甘織れな子。

 

また、現在進行系で恋愛対象外(笑)のれな子が恋愛対象になるには、れな子はかなりの努力が必要だと思いますが、まずあの関係から恋人同士になるには、物語的にもかなりの説得力が必要になると思います。

それだけで五冊くらい使いそうだし、恋愛ドラマがすごそう。ぜったい他の相手を見つけたほうがいい。そんな女やめとけ琴紗月……。

 

さて、紗月さんについて語ると面白すぎて無限に語ることができますが、このあたりで一旦切り上げましょう。

私はこれからも恋に恋する琴紗月ちゃんを応援しています。

 

香穂ちゃんについての気になる記述

今巻の香穂ちゃんも可愛かったですね。芦ヶ谷高校みんなの妹、小柳香穂ちゃん。

もうれな子とズッ友でいてほしいし、れなかほ漫才を無限に見ていたい。

だけど今回、気になった箇所があります。

それはエピローグでの香穂ちゃんの独白、

 真唯は恋人になりたい相手であって、特別に好きかと聞かれると……。

 どちらかといえば。

 ふわふわとした気持ちが形になる前に、紗月がその先を紡ぐ。

って『どちらかといえば』が不穏すぎませんか? 香穂ちゃんはいったい誰のことを考えたんですかね!?

つまり、今は意識していないけど、れな子のことを好きになる可能性もある……?

やめてくれ。香穂ちゃんはみんなの香穂ちゃんでいてくれ……。ウオオオー! れな子の香穂ちゃんにだけはならないでくれエエェー!!! 心がこわれる……。

というか、香穂ちゃんまで篭絡されたらマジでルネさんが勘違いしてたように四股女になるのかれな子……? 流石にそれはれな子ファミリーじゃん。嘘から出たれな子。身から出たれな子じゃん。ゆるせねえな甘織れな子。

 

個人的に香穂ちゃんはクインテット最後の砦といった感じで、まだまだ秘密が多いキャラクターという印象なので、これから家族関係なども今後深掘りしていくのかな? といった感じです。四巻で匂わせた義理の姉(?)が出てくる展開を希望。義理姉妹百合はいつでもウェルカムカモーン。

 

話が脱線しました。え? お前いつも暴走特急じゃんって? そうかな……? そうかも……。

 

まいあじ過激派にエサを与えないでください

そういえば、私はまいあじ過激派なんですが(唐突な自己紹介)、五巻の真唯と紫陽花さんがお互いを尊重して認め合い、対話する美しさに心を打たれました。

ギクシャクするわけでもなく、話し合って互いを想い合いながら好きな人を愛する二人の関係はとてもステキだと思います。

苦難を乗り越えた三人の関係は、これからも順風満帆ではないかもしれませんがちょっとやそっとのことじゃ揺るがないものだと信じさせてくれる巻でした。まあ次回からちょっとやそっとじゃないことが起こりそうなんですが……。

五巻で個人的ベストシーンだったのが、MON真唯ちゃん。あの真唯が「もん」……!? 恋人関係になるだけで、恋人にしか見せないすがたをここまでお出しされると、心臓がいくつあっても足りない。嫉妬と不安でキャラがおかしくなっちゃう真唯ちゃん可愛すぎるよ……。おかしくさせてるのはれな子なんだぞ、ちゃんと責任取れよ。

 

そして、何と言っても紫陽花さんとれな子の屋上の……シーンですね!

ぎゅーっとしたふたりの、幸せ~ってかんじがすごく伝わってきて、わ~!ってなっちゃいました……!(語彙力)

本当に苦しかった紫陽花さんの片思いの心中とその告白、そして三人で悩んできた色々を乗り越えた先の待ちに待ったシーンだったので、感極まって泣いちゃいそうになりました……! よかったねえ……! ホントよかったねえ……!!

この三人にはこれからも幸せでいてほしいですし、この関係が壊れることなく続いてほしい。

そして、その幸せを続けられるように努力するのが、紫陽花さんであり、真唯であり、れな子なのだと思います。三人とも、頑張れ……!

 

れな子と二人の関係の責任

れな子について書きたいのですが、腐っても主人公なので書きたいことが多すぎて困りました。

なのでとりあえず、三人の関係の責任について話したいと思います。

三人の関係に何かあった時、もちろんれな子が悪い。と言いたいところですが、れな子は二人を選び、真唯と紫陽花さんはその関係を承諾しました。

つまり三人の関係は合意の上で成り立っており、合意したのであればそれぞれに責任があります。

私はれな子が嫌いなので、何かあった時、れな子だけに責任を押し付けて真唯と紫陽花さんは悪くないよ!と言いたいところですが、そうはいかない。

三人で成り立つ関係であるのならば、三人それぞれに責任がある。

だけど、三人で付き合うという茨の道を選んだ彼女たちは、お互いを大切に思い、尊重しながら、自分の意見も突き通そうとする芯の強さも獲得しました。

 

れな子は、自分を大切にすることがまだ足りないと思いますが、それでも、真唯と紫陽花さんや大切な人達に認められるのなら、それもそのうち改善してくるでしょう。

彼女に足りないのは能力云々ではなく、何かをがんばった結果得られる成功体験だけです。

これは、能力がないから成功できないといった話ではなく、能力がなくても目標を定めてそれに向かってがんばること、その上で自信をつける経験をするといった話です。

最後にシュートをキメたれな子、カッコよすぎるんだよな……。どんどん人生の成功体験を増やしていけ、れな子……。

 

まとめ

五巻ではれな子のさらなる成長(自分のことを少しでも好きになれること)が描かれましたが、真唯、紗月、香穂、紫陽花も日々の中ですくすくと着実に成長していることがわかります。がんばる女の子は素敵で無敵!

ただ一人、紗月さんはいったいどこに行くのだろう……という気がしますが、彼女も頭が良いのできっと、今後、落ち着くべき場所に落ち着くのでしょう。たぶん……。

これからも注目度が高い、何をしでかすか分からない彼女。れな子を動揺させるために他の女と付き合うとかしかねないからな……。琴紗月……。(そんなことないよね?)

芦ケ谷暴走小町の行く末を、一読者として見守っていきたいと思います。

今回も作者であるみかみてれんや、この本に関わったすべての方に感謝!

ファンの皆様とも様々な繋がりをもつことができました。わたなれという作品には感謝しかありません! これからもわたなれを楽しんでいきたいと思います!