終わりがないということは、
さざめきがない波のようで。
なにも変わらず
なにも聞こえず
なにもかもを繰り返す
どこにも行けない音を、私はのみこむ。
泡の不安定性を理解することはできなくて。
はじける音のヘルツを、聞くことも、見ることも、伝えることもできない。
雑音にしか聞こえない音に 私は苛立つ。
水溜まりの底に沈んだ貝殻は浮き上がることも、泳ぐこともできず。
蓋を開けたペットボトルからは、後悔と 苦しさとがはじけて消える。
それでも終わってくれる世界には やすらぎと期待と、さざめきが、音が満ちている。
それらを届けてくれるのは、
私の
私の言葉。
私から生まれる雑音。
荒れ狂う水たまりに、錨を下ろすこともままならない。
囚われの海は、いつか無意味なシミとなる。
アスファルトに沁み込んだ、びしょぬれで乾いた いびつな線。
だからこそ
私は両手で掬い上げていた水を流す。
期待される重荷と、後悔と、苦しさと、出会えたよろこびと一緒に。
声は私の
そして私の心の中に。
だから私は、あなたのそばを泳ぐことができる。
あるいは、私がいなくても泳ぐ
あなたの
幸せになることを知るの。