サブリミナル白昼夢

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百合ボイスドラマ ハレー彗星はひとり 感想 「天体観測と百合を観ることは同じことなのかも」

 

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ハレー彗星

運次第では、人が生涯で2度見ることができる彗星。

古くからみんなに知られている、孤独に回帰する彗星。

次は、2061年に見ることができると言われている彗星。

人のめぐり合わせもまた、星のめぐり合わせとおなじく運。

だけど、大切な人がある日とつぜん死ぬのも、ただの運でしょうか。

  

百合ボイスドラマハレー彗星はひとり」は、姉の忘れ形見である中学生「夢華」と、それを引き取った女性「仁美」、そしてその恋人である「深雪」の三人暮らしからはじまる物語です。

今回紹介するサークル、えぇ、また「Katalilio(カタリリオ)」です。ボイスドラマの名作「ランドリー」のサークルですね。このサークルの音声作品おとといも聴いた。 

ジャンルは、百合ホームドラマです。家族、三角関係、社会人、そしておねロリ。(家族で三角関係ですが、あったかい物語です)

いやいや、たくさんつめこみすぎじゃない? コメ牛の肉だくだくか?? と思いました。90分と、またまた映画1本分の長い時間ではありますが(聴いてる最中はまったくもって短く感じる)、3人も描くには流石に足りないのでは…と心配になりました。

しかし、まったくもって杞憂でした。

つらいことと、楽しいことの両方を繰り返す3人の日常の積み重ね。

人が人を好きになる瞬間の積み重ね。

そして、彼女たちが過去、つまり今までの「積み重ね」でここにいるのだと、物語から受けとることができました。

 

こうして、くっつける。くっついたら、あったかい。

ハレー彗星はひとり』

 

好きなシーンを語りたいのですが、ネタバレになるためあまり語れず…。

以下、すこしだけお気に入りのシーンを書きます。

「06 Dream a good dream」

夢華ちゃんの、理不尽に打ちのめされた少女のやるせない感情は聴いているこちらが痛々しくて見てられない、と思うほど切実なものでした。
(『どうして、別れが~』のくだりは本当に素晴らしい場面だと思います)

「08 Alone」

夢華ちゃんを諭すシーン、妄執にとらわれた彼女を間違いだと言い聞かせる仁美はかっこよかったです。
夢華ちゃんの宗教観はものすごく怖くて、このまま大人にならなくて本当によかったな、と思いました。

また、やはりなんといっても挿入歌のシーンでしょうか。
前回の「ランドリー」でもそうでしたが、挿入歌の使い方が本当に上手く、音声作品でありながら、情景がありありと目の前に浮かびます。あと深雪が食い気味に断って爆笑した。

 

大切な人のとつぜんの「死」という理不尽さ、どうしようもなさを描きながらも辛い時隣に寄り添ってくれる。『こうしてくっつける。くっついたら、あったかい。』ということ。

そういった他人のあたたかさを思いださせてくれる、そんな百合作品でした。

 

同サークルの百合ボイスドラマ「ランドリー」も名作なのでぜひ。