サブリミナル白昼夢

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百合ボイスドラマ ランドリー 感想 「百合作品で味わう空気のふるえ」

 

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ーそして、毎週水曜、8時。

媒体を問わず、百合作品を鑑賞していると、「空気がふるえている」という体験をしたことはないだろうか。そんな体験をしたことはない?

だったらこの作品を鑑賞してみるといい。

音と声と、登場人物たちの想いによって、空気が、それを拾う自分の鼓膜が、そしてその心が、ふるえるのを感じることができるはずだ。(最初に断っておくがこの作品は全年齢のドラマCDだ)

 

百合ボイスドラマ「ランドリー」は、百合活サークル「katalilio(カタリリオ)」の処女作である。ボイスドラマとは名前の通り「音にて語る物語」だ。

 

人は外部から受けとる情報の約8割が、視覚情報と言われている。

絵画、映像、本など、創作を表現するためのポピュラーな媒体は昔からほとんどが視覚に訴えかけるように作られている。

そんな中、音声だけの作品がほんとうに楽しめるのか? と疑問に思う人もいるかもしれない。

答えは、「心配なんてしなくていい。ぜったいに楽しめるから」だ。

 

なぜ、1割にも満たないと言われる聴覚情報で、なぜ、2時間(映画1本分!)もあるボイスドラマを楽しめると確信を持って言えるのか。

物語の面白さは大前提なので、ここではあえて語らない。

 

この作品を視聴する時のコツは、スマホは着信しないようにし(できれば電源を落として)、目を閉じリラックスして、ちょうど、「これから長い映画を観る上映前の席にいる」ような心持ちで臨むだけだ。

そして、できればイヤホンなどで集中して聴いてほしい。

視覚情報に気を取られない。その情報を脳が処理しなくてもいい。という状態。

ただそれだけのことで、自分の目の前に「一匹の黒猫と、コインランドリーで話しこむふたりの姿」が見えることになるだろう。

 

 

ー春の入り口、洗濯機が壊れたら友人ができた。

毎週水曜日の8時に、近所のコインランドリーを利用する平凡なOLの「真紀菜」は、ひそかに楽しみにしていることがある。

それは、容姿端麗でありながらどこか危なげで目が離せない雰囲気をもつ、あるひとりの女性(恵恋)もそこを利用しているからだった。

ひょんなことからその女性と知り合いになるが、彼女は今話題の天才若手ピアニストでしかも7歳も年下だと言う。

そんな日常のなかに飛びこんできたちょっとした非日常。そこで過ごしていくふたりの日々と季節の移りかわり。

木々が四季によってその姿を変えていくように、ふたりの関係も移りかわってゆく。

そしてー。

 

ランドリー

シナリオ:真鶴コウ
イラスト:笛
声優  :峯香織 / 設楽麻美 / 上川ゆう
年齢指定:全年齢

ジャンル:百合、ラブコメ、お嬢様、年の差、感動

 

P.S. アサノさんが地味にめっちゃ好きでした。ムカつくけど憎めないキャラ…!(とあるシーンの「アサノです」でめっちゃ爆笑した)