サブリミナル白昼夢

公式が解釈違いなら、それより洗練された洞察で公式を焼くブログです。

こいおち 2 感想「百合で平手打ちされた話する?する! 」

 

こいおちは、女子高生同士の恋のお話だと思っていたが、どうやら違ったようだ…?

 

右へ左へ揺れ動く陽南の心と、どんどん成長していく佑月。

佑月、姉離れに引き続き、深刻な陽南離れ?

大波乱の、女子高生同士がまた恋に落ちるかもしれない話。2巻!

ふとしたきっかけで、遠く離れてしまったベガとアルタイルは、15光年の距離を乗り越えて、再び通じ合うことができるのか!?

 

こいおち1巻の発売からはや数ヶ月、今年の夏は百合のおかげで暑かった(アツかった)なぁと想いを馳せながら、2巻発売を待ち焦がれる日々。

金木犀のうっとりとした甘い香りがただよい始めた、10月の初週。

私は夏でもないのに溶けました。

なぜなら、発売前にこいおち2巻の試し読みを読んでいたから。

 あぁでも、発売する前に試し読みしておいて良かった。

ワンクッションおいて読んだおかげで、本編ではなんとか蒸発するだけで済みました。(当たり前のように蒸発すんな)

 

とりあえず表紙を見ましょう。はいドン。

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捻くれた文章を書く入間人間も、みなや氏のまっすぐな文体と作風に溶けたらしい

  

いきなりですが問題です!

この本を手にとった読者で、

「表紙ィ-!!!!」

と叫んで膝から崩れ落ちた方は何人いるでしょうか。

はい、もちろん全員ですね。大正解。

 

とりあえずもう一度、表紙を見てみましょう。短時間に2回も出すな。

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恥ずかしそうに目をそらす佑月と、照れながらもネクタイを結ぶ陽南

 

ピンクを基調にした表紙が、なんともいえない百合空間を作り出しながら、

「タイが曲がっていてよ」

って、そんなベタベタベターな構図で私を翻弄しようなんて、なんて…!ホント最高ですありがとうございます百合波で天井が吹き飛びました。

しかもこのネクタイとリボンが本編で重要な意味を持つという、スキを生じぬ段構えなのだ。

小奈きなこさんの可愛らしい表紙絵だけで致命傷だったのに、装丁をドン!!

と出された時は、これが溶けるという感情なのか…と本能で理解しました。(溶けるは感情ではない)

 

この感想では2巻の試し読みから語り、後半で2巻全体の感想を書いていきます。

 

2巻の試し読みはこちらから

 

特に後半からは、

「オラッ、電撃文庫さん!こいおち3巻とトワエリ本出せッ!新刊出してくれたら即買うぞ!?」(出してくださいお願いします)

と、殴り込みをかける勢いで喋るので、十分気をつけてください。(何に?)

 

もし、1巻を読んでいないようでしたら、詳細な感想(最初はネタバレなし)はこちらからどうぞ

 

 

2巻の試し読みまで

さて2巻の試し読みでは、第1話が丸々読めます。大盤振る舞い。

物語は、月下旬の蒸し暑い夏の夜から始まります。1巻と地続きの物語です。

どうやら星楽部の皆で夏休みを満喫しているご様子。

夜まで目いっぱい遊んでいた4人は、今日の最後に飛和の思いつきで花火をすることに。

シェアサイクルで遠くの公園まで、2チームに分かれてレース!

星楽部の4人はグーとパーをしますが、陽南と同じチームになれなかった佑月の仕草がもう楽しい。どんだけ陽南と一緒になりたかったんだ…!

 

察しが悪い愛梨咲も、佑月の陽南への好意には流石に気づいていた様子。

 「前から思ってたんだけど…ゆづって陽南のこと、本当に好きよね」

 ぽつ、と。愛梨咲ちゃんが何気なく口にした。まるで明日の天気の話でもするみたいな、何気なさだった。

 え?そこツッコんじゃう?

 

1巻の時点で

 「察しが悪く善意で人を傷つけてそう。個人的に苦手なタイプ」

と、私からボロカスに悪印象を持たれている愛梨咲。

そこは期待(?)を裏切らず、どうやら友達としての『好き』だと受け取っている様子。

それにしても愛梨咲、友達に対しての親愛の情や、子供を見守る母親みたいな愛情には溢れているのに、『恋愛感情』についてはあまり知らない様子…?

ここらへんについては、またあとでツッコみたい思います。

 

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愛梨咲そういうとこだぞ

 

佑月の愛情を親愛の情と勘違いして、愛梨咲は話を進めます。しかしここで飛和に流れ弾。

愛梨咲は飛和のことを、

「(中略)そういうのが印象的だったから…どうしても他の友達とは違う見方をしちゃうのよね。友達なのに変わりはないんだけど

と呟きます。 

 

友達なのに変わりはないんだけど。

 

友達なのに変わりはないんだけど。

 

はい、思いがけなく突き立てられた言の刃。 

飛和(と読者)の心臓を一突きです。読んでる時「ヒュエッ…」って変な声でた。

不意打ちの一撃必殺って、愛梨咲ちゃんの前世は暗殺者か何かなんでしょうか?

このシーン、飛和の文章中には描かれていない姿がまた痛々しく、動揺が見て取れ、読む人の心を深く抉ってきます…。

みなや氏は行間を読ませるのが本当に上手い血涙

 

結局、飛和のお情けと愛梨咲の不意打ちのおかげで、佑月は無事、陽南と同じチームになれました。

が、そこから順調に行けないのが佑月。

運悪く自転車がパンクしてしまい、残念ながら花火はお流れという形に。

落ち込む佑月もかわいいけど、ジュースで機嫌がすぐ回復する佑月もかわいい。

学校前で合流して4人で帰ろうとしますが、飛和と愛梨咲を待つ2人は学校の敷地内を探検します。

「陽南、なんか仁熊みたいなこと言ってる…はっ…まさか陽南のふりしてくるけど、本当は仁熊なの…!?

「正真正銘わたしは陽南だよ。…佑月の大好きな

「! ひっ、ひなっ…」

「ふふっ」

ここでの佑月の発想がはたまた面白可愛い。陽南のふりをした仁熊…?

飛和ならルパ○みたく、いきなり変装解いても違和感ぜんぜんないですね…?

怪盗トワだ…。

むしろ本編を読むと、

「トワエリはとんでもないものを盗んでいきました…。読者の心です。」

なんですよね…(?)

 

さて、発想や行動の面白さが相変わらずの佑月ですが、陽南は佑月の好意に気づいてから、どうやら恥ずかしがる佑月が可愛くて、からかいを楽しむSっ気に目覚めた模様。

というか恋人を照れさせて、いちゃつくカップルかな…?これで付き合ってないとか無理があるでしょ。溶けるわ。

陽南、お前そんなヨユウシャクシャクしてると、あとで痛い目見るんだからな…?

 

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佑月がいろいろな表情を見せてくれるのが楽しいご様子

 

この場面で、佑月と陽南はグラウンド近くのイチョウ並木の道を訪れます。イチョウ並木…?ブレザー…ニアミス…うっ頭が…。

ここで佑月はイチョウ並木を天の川に例えますが、織姫と彦星は今回のカギとなるポイントです。

佑月は織姫と彦星の2人を指し、

「(中略)もっと会おうって努力というか…そういうのしないんだろう? たとえばお互いがお互いに会えるように、川を泳いででも会いに行こうとは思わないのかな?

となんだか難しいことをつぶやきます。 

遠く、離れていても会いたい人がいる。

佑月が抱く恋愛感情の大きさが伝わってくるシーンですね。

陽南は、この時点で佑月に感じているのは、友情的な意味での『好き』だと独白していますが、はたして…?

 

1巻や2巻の最初では、佑月の『好き』という感情がこれでもか!と描かれていますが、陽南の『好き』の感情についてはあまりよく分かりませんでした。

2巻の本編ではそれがたっぷりと描かれているので、1巻で陽南にモヤモヤした方も存分に楽しめるでしょう。

今度は陽南のモヤモヤを、読者も一緒に味わうことになるのですが…。

ここからは2巻全体に渡って語っていきたいと思います。

 

2巻全体でのキャラの印象について

2巻を読むことで、登場人物の印象がかなり変わったと感じる人もいるのではないでしょうか。

個人的に、印象がガラリと変わったのは陽南と愛梨咲の2人です。

佑月は相変わらずでしたが、飛和の印象は個人的にはあまり変わらなかったです。

 

それは多分、巻の本編や特典SSで、飛和は愛梨咲に恋愛感情があるのでは…と察することができていたからでしょう。

彼女の印象自体は変わらなかったし、予想できたキャラ像だったとしても、2巻の怒涛の展開によって文章にビンタされました。飛和の気持ちをくみ取るとホントに心(と頬)が痛い。 聖書には右の頬をぶたれたら、左の頬も差し出せ。って書かれてるくらいだし、こいおち3巻用に左の頬を残しておきますね(?)

みなや氏は仄めかしたり匂わせたりして、読者に想像の余地を残す書き方が、本っ当に上手い作家さんですね。ニクたらしいくらいです(笑)

 

ここで、巻と2巻の各キャラについて、私自身の第一声を比較してみましょう。

 

陽南

1巻「普通と見せかけてすごい女の子!ザ・主人公!」→2巻「SBJK*1

佑月

1巻、2巻「なんだこの面白かわいい生き物…」

どちらの巻もほぼ変わらず。二巻では彼女自身の成長も垣間見えて和む…。 

飛和

1巻「もしかして愛梨咲のことを…?」→2巻「 」 

愛梨咲

1巻「個人的に苦手なタイプっぽいなぁ…」→2巻「現代のマザーテレサだ…」 

御子柴先生

1巻「シスコンだ…」→2巻「シスコンだ…」 

安定の佑月、2巻での飛和の想いに語彙は消し飛んだ。愛梨咲はイメージ変わりすぎ。陽南は…うん。うん…。

 

妹を溺愛する姉と書いて、御子柴先生と読む

御子柴先生の感想は1割くらい冗談です。

実際のところは程よくゆるく、必要な時は頼りがいのある良い大人だと思います。私もこんな大人になりたい…!

 あ、でも妹の小中学校のアルバムを回収して家に持ち込んでるのはちょっと…(ドン引き)

御子柴先生、休日に優雅なコーヒーブレイクしながら、微笑をたたえながら卒アル読んでそうですよね。

基本的に何しても絵になりそうな美人さんだと思うので、ほんと困ったお人だぜ…。

 

そして陽南への「強く生きるんだ」というアドバイスには爆笑しました。

よく先生が生徒にするような助言ですけど、なんかちがう。

その言葉の意味を、理解するのは多分ずっと後でしょうが、先生は経験者なので助言したんだろうな…。と思って笑いが止まらなくなりました。

これから陽南が味わうだろう、佑月に関係した嫉妬云々の話じゃねーか!

佑月大好きで少々変人で大人な御子柴先生を、2巻でも存分に見れてすごく満足です。

先生は佑月がプロデュースしたメニューを全部食べたのだろうか…食べたんだろうな…うん。

 

ジェラシー組

さて今回、星楽部としての文化祭の活動が無しになり、なにかと一緒に行動することが多かった陽南と飛和。

ある意味すさまじい最強コンビでしたね。このコンビをジェラシー組と呼ぼう。

このコンビは想い人への嫉妬の炎で学校ごと燃やす気か。私はこの2人の業火でゆっくりと焼かれて灰になりました。

それほどに強い火力。正直、第3話と第4話の挿絵だけで魂までも焼かれましたここは煉獄かよ。

 

そして第3話のタイトル『九月のネクタイショック。』

表紙とタイトルのせいで、驚愕と笑いが同時に来たのは初めてです。

目次を見た時点でフフッてきましたが、挿絵とタイトルのマッチしてない感で大爆笑しました。

確かに九月でネクタイでショックだけども…!

1巻の『君とわたしの長野合戦。』といい、3話のタイトルは面白おかしくしないといけない縛りでもしてるのか…?

この中盤からは、このジェラシー組に焦点が当てられ、物語が進んでいきます。 

普通の女子高生たちの、それぞれの初恋やり直しストーリーということですね。

 

そして4話にて、2人は佑月と仲良くしている陸上部の女の子を尾行しますが、この時の陽南の焦りっぷりと、それをステイに入る飛和の構図に笑います。

陽南の心の声にツッコむ飛和。やはり顔がいい女は人の心が読める(焦ってる陽南が分かりやすいだけ)

 

特にこの2人の公園のシーンがお気に入りでした。佑月達をガン見したり、声がデカくなるキャラ崩壊気味の陽南が面白すぎる。

そして飛和が語った、公園の例えといろんな恋の形の話がとても好きです。

「つまりさ、…この公園とは違って、あっちの公園にはブランコもシーソーもない。だけどそれでも、はっきり公園だって言えるでしょ?

…だからさ、恋もきっとそれと同じなんだよ。ある人の中では、恋っていうのは ”キスしたい” って要素が含まれているんだけど、またある人の中では恋って形の中に ”キスしたい” って要素は含まれていなかったりもする

だけどはっきりと、それは恋なんだよ。そういう形をしてんの。」

 

 

陽南マジSBJK

陽南は、ぐにゃぐにゃとした輪郭の分からない感情を抱えたまま、まだまだ暴走していきます。

佑月が陸上部の子とネクタイを交換している姿を見かけてから、疑心暗鬼になっていましたが、もはや佑月がリボンを結んできただけで悶々としています。

 

陽南がした、”告白、返事待ち、冷める” は屈指の名(迷)検索だと思います。

別に佑月に告白されたわけじゃなくね…?」と読んだ人皆の声がツッコむ声が聞こえる。

それにしても陽南、佑月を意識してから、自身がしている行動に対して自問自答しすぎである。もはや普通の要素が微塵もない。

ここでひとつ言っておくことがあります。

「陽南めんどくせー!!!!!!!!」

佑月のことがすごく気になるのに、恋愛的な好きだと気づかない。友情と恋愛感情がごちゃまぜになってしまい、自分の中に隠れている感情の大きさに気づかない。無意識で佑月の腕を掴んで引き止めるほど恋しいのに、それを素直に認めることができない。その陽南の姿がもはや見ていて愛しいです。佑月の一挙手一投足にあまりにも心をかき乱され、佑月が自分のことをもう好きじゃないのではと、不安になる。見ていて本当にほほえましい…(つまり陽南かわいい)

 

本当のテーマ 

陽南は終盤まで、自身が佑月へ向けている感情を恋愛感情だと気づきません。

それを屋上でやっと自覚しますが、逃げてしまいます。

佑月の好きに圧倒されたからなのでしょうか?それだけではないと私は感じました。

陽南自身、

怖くなったんだよ。…自分の気持がはっきりわかった途端に、怖くなっちゃったの。今までずっと曖昧にさ、流されるままにふわふわ生きてきたから、…はっきりした形のものが、今、自分の中にあるんだって。わかった瞬間にどうしていいかよくわからなくなった

と語っています。

 

佑月の好きを、自分が受け入れて、きちんと佑月に愛情を返すことができるのか。

彼女を愛することそれ自体を恐れたのではないでしょうか

人は、他人から『愛されること』を望みますが、人を『愛すること』には臆病です。

なぜなら、その人を好きになって愛したとしても、その人から本当に愛が返ってくるかはどうか分からないから

けれど、本当に人から愛される人は、必ず人を愛することを識っています。もちろん自分のことも大切にして、自分自身も愛しています。そして自分のことを愛するように、他人も深く愛することができます。

私が思う本当の愛とは、

『人から愛されることを望まずに、その人のありのままを愛すること』です。

そう言ってしまうと、愛はとてもシビアで困難なものです。

なので、恋愛感情というものを知った陽南が恐れてしまうのも仕方のないことだと思います。

それは陽南だけではなく、飛和にも言えることです。彼女は人を愛することを恐れるあまり、自分の本心を隠して愛梨咲と接しています。

本当の気持ちを伝えることで、愛梨咲が離れてしまうのを過度に恐れているようですが、飛和が愛梨咲に真意を伝えることができる日は来るのでしょうか…?

そして飛和が他人を愛することに臆病なのは、家庭の事情もあるのかな…。

メロンブックスの2巻特典SSを読み、それを想像したら胸が痛くなってきました…。

 

ここまで語ってしまうと伝わると思いますが、こいおちは『恋』のお話だけではなく、恋が愛に変わっていくお話だと私は思っています。 

つまり彼女たちが恋におちるかもしれないだけではなく、彼女たちが互いに愛を育むお話です。

そして恋はおちるものかもしれませんが、愛はおちるものではありません

愛とは、スポーツのように学び、鍛錬を積み、現実の世界でその愛を実践することで果たされます。それによって初めて理解したと、習得したと言える、とても困難なものです。

 

愛について

『愛』とは『恋』のように、人の数だけ様々な違った形があると思います。ここで私が話すのは最も基本的なものを指しています。*2

それは、友愛、母性愛、恋愛*3、そして自己愛のことです。*4 *5

愛とは他人に寄せる無条件の信頼であり、「あなたが愛してくれるなら、自分もあなたを愛す」といった、ギブアンドテイクの関係ではありません

愛とは「自分を愛してもらえないかもしれないけど、その人のありのままを受け入れて、その人を愛する」ことであり、とても恐ろしく勇気がいるもの。

愛梨咲は3つの愛をきちんと理解し、実践できているように思えますが、はたしてもう1つは…?

 

愛と、愛梨咲と、飛和と

さて愛梨咲についてですが、優しさで人を傷つける女の子だと私は思っていました。(しかし正確に言うのなら、手厳しいですが、飛和自身が臆病なので勝手に傷ついてる)

愛梨咲は確かに無自覚に展開を悪い方向に持っていくきらいがあります。しかし、友愛の情を示してはいますが、決して誰にでも平等に接しているわけではありません

彼女は飛和のことを特別だと感じ、しっかり見つめ、彼女が絶対に明かそうとしない本心までをも理解しよう努めています

 

これほどまでに愛に溢れ、隣人を愛し、母親のように他人を慈しみながら見守り、しかも自分を特別として愛してくれている。

なにを彼女に本心を打ち明けるのを怖がっているのでしょうか?

飛和は、自分でも言っているようにとても臆病です。

『変わらない関係』という停滞を望みながら、他人の世話ばかり焼いている愛梨咲に対して勝手に不機嫌になる。

何年も一緒にいた彼女に、それを口にする勇気がありません。

けれど、人を好きになったことがある人なら、その弱さは痛いほど理解できるのではないでしょうか。だって、大好きな人に嫌われてしまうのは誰だって怖いから。

もしかして嫌われてしまうかも…という恐怖に負けてその場で立ち止まるか。

恐怖を乗り越え、なにかしらの答えを見つけて前に進むか。

飛和はいつまでも、同じ場所で立ち止まっている人では無いと思います。

 

2巻を読んだ人は、きっとみんな大好きであろう『ハートのエースの舞』の名シーン。

…だって飛和ちゃんは笑ったのだ。さっきわたしの前で思いっきり笑ってたみたいに、ううん、それ以上に面白そうに、…嬉しそうに。

「叶ったわ、…ほら見てよヒーニャ、嘘じゃなかった!」

愛梨咲が飛和に伝えた言葉のおかげで、私の中にあった、愛梨咲の印象は180度変わり、また飛和が前へ進むためのキッカケとなるであろう、光明を見出すことができました。

そこから飛和が望むような関係に発展できるかどうかは、やはり彼女のことが(恋愛的な意味で)大好きな飛和にかかっていると思います。

 

やはりトワエリ外伝本などで、彼女達にもぜひ頑張って頂きたいところ。

うん。というかそれしかないと思う。

電撃文庫さん、やろ?(圧)

 

佑月のまっすぐな愛

佑月は巻でもまったくブレない、陽南と星が大好きな、ちょっと変わった女の子だったので、もはや実家のような安心感でした。

そうそう佑月はこういうキャラだよね。

ただし今回は彼女の成長も垣間見えるので、姉のような気分になりました。いや先生じゃなく。

クラスで新しい友人を作ったり、自分の才能を活かして文化祭を盛り上げたり。

入学初日から、見ず知らずの女の子人をストーカーして、話しかけられずにいた引っ込み思案な彼女はもういません。(語弊がある言い方をするな)

まだ少し、夢中になると周りが見えなくなるクセはありますが、それでも立ち止まって反省するのでこれからも見守りたくなるキャラクターです。

 

陽南に対する愛情の熱量に今回も驚きましたが、特に文化祭のクラス展示でやることになった星空カフェのメニューです。

真相を聞いたこっちまで照れてしまいました。あとクラス展示なのに、考えたメニューをに染めるとかいう権力の私物化やめろ。

佑月のまっすぐな『好き』の想いは、見ていてとても爽やかであったかな気持ちになれますね!

 

陸上部の子と佑月のやりとりが地味に気になる

さて最後に、陽南の心をかき乱した『陸上部の女の子』についてですが、彼女もとっても詳細が気になるキャラクターでした。

どうやら意中の女の子がいるようで、佑月ともそういうお話ができるんじゃないかな。と声をかけたようです。好き好きオーラ出す佑月もかわいいと思いますが、それに目ざとく気づく陸女うぶ子かわいい(勝手に命名するな)

彼女の好きな子は、クラスメイトか、はたまた部活の先輩か。

もしかして御子柴先生…?と妄想が広がりんぐなので、今後の活躍にも期待です。

 

まとめ

巻では、ジェラシー組の嫉妬の嵐という、巨大不明感情に(読者が)巻き込まれながらも、陽南と佑月はなんとか『恋人』という関係に辿りついたのを、見届けることができました。

けれど、もちろんここからが大変で、お互いを理解し、共に笑い、共に泣き、時にぶつかっていくのだと思います。それでもきっと、彼女たちなら大丈夫。

これからのふたりがどう歩んでいくのかとても気になります。

できればひなゆづえっちまで見たい(心の声)

最後の心の声で台無しだよ。

 

そしてついに明かされた飛和の本心。

そして愛梨咲への想い。

気づいてる人は気づいてる、というか好き勝手に妄想してる(してた)関係だったので、私は安らかな顔で永遠の眠りにつけます。いや誰がしぬか。

巻で鳴き声が「トワエリぃ…」になった人も多いのではないのでしょうか。

私もそうです。推しカプの名前を哭くだけの生き物と化す。 

巻のトワエリ波動は、やっぱりすさまじいもので「トワエリ本ほしい」の声がSNSではどうやら現在の時点で、70件以上集まってるようです。

巻発売1ヶ月でコレとか、トワエリパワーおそるべし…。

目標の100件いくぞ…!?トワエリ本は発売できるのか!?楽しみです。

 

さて、今年の流行語が「こいおち」になるくらい、私はこの作品にどっぷりハマりましたが、皆さんはいかがだったでしょうか?

 

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この感想を読んで、こいおち2巻、たしかに面白かったよね!という読者さんは、

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*1:『嫉妬深い女子高生』の略。元ネタは桜Trickから

*2:最も基本的でありながら最も難しい

*3:恋愛とは一般的でない言葉を用いると『性愛』のこと

*4:愛については、流石にここだけには書ききれないので、フロムの『愛するということ』という著書を、もし良かったら読んでみてください

*5:ただし、フロムは異性愛を前提から排除しているので、現代にそぐわない古臭い解釈だな。と感じたところは読み飛ばしても構わないと思います